2025.05.08 コラム
ビーポーレンの効果は?毎日の健康に役立つ食べ方も教えます

ミツバチが生み出す健康食品としては、はちみつやプロポリスがよく知られていますが、ほかにも“ビーポーレン”とよばれるものがあることをご存じでしょうか?
ビーポーレンは、ヨーロッパや中国で古くから取り入れられているスーパーフードで、パーフェクトフード(完全栄養食)ともよばれています。
そこで今回は、ビーポーレンの味や気になる効果などをお伝えします。 おいしく、体を元気にしてくれる健康食品をお探しの方は、ぜひ最後までご覧ください。
ビーポーレンとは?
ビーポーレンとは、ミツバチが採取した花粉を丸めたもののことです。
Bee(蜂)とPollen(花粉)を合わせてビーポーレンとよばれており、”花粉団子とか花粉荷”と表記されることもあります。
ミツバチは、幼虫の栄養食とするために、集めた花粉を花蜜や唾液分泌物と混合させてビーポーレンを作ります。 幼虫を育てるのに必要な栄養が詰まっているので、ビーポーレンには自然の健康食品としての効果が期待できるのです。
ビーポーレンはどのような味がするのか
ビーポーレンは花粉の種類にもよりますが、ほのかな甘みがあり、優しい味わいです。
やや苦みのあるクセのある味なので、そのまま食べるのは苦手な方もいらっしゃるかもしれません。
ヨーグルトやサラダにトッピングすると食べやすいでしょう。
ビーポーレンに含まれる栄養素
ビーポーレンは、ミツバチが幼虫に栄養を与えるために作るものなので、栄養が詰まったさまざまな成分が含まれています。
栄養素などとして、16種類のビタミン、必須アミノ酸8種類を含む20種類のアミノ酸、18種類の酵素、16種類のミネラル、食物繊維など90種類以上の成分が含まれています。
その一例を以下にまとめました。
▼ビーポーレンに含まれる栄養素

上記を見るとわかるように、美容と健康をサポートしてくれるさまざまな成分を、スプーン1~2杯で簡単に取り入れられます。
ビーポーレンに期待できること
ビーポーレンには、さまざまな栄養素が含まれていることがわかりました。
ここでは、スーパーフードであるビーポーレンを食べることで期待できる効果をご紹介します。
イキイキとした毎日を送れる
ビーポーレンは、毎日の健康維持におすすめです。
前述のように、ビーポーレンには普段の生活に欠かせない栄養素が豊富に含まれています。
そのため、ビーポーレンを食べることで必要な栄養素を補い、イキイキとした毎日を送ることができます。
季節の変わり目でも元気をサポートする
季節の変わり目のむずむずとした不快感で気分が下がってしまう方も、ぜひビーポーレンを取り入れてみてください。
ビーポーレンのほのかな甘さが気分を落ち着かせてくれるでしょう。
また、ムズムズや花粉でつらい季節の対策にも最適です。
必須アミノ酸やミネラルなどの栄養素を含み、花粉の季節の不快感を和らげることが期待できます。
若々しい自分を目指せる
年齢を重ねるにつれ、布団に入ってから何度も目が覚めてしまい、スッキリとしない毎日をお過ごしの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ビーポーレンは、そのような方にもおすすめです。
栄養たっぷりのビーポーレンを食べれば、夜も悩みを気にせずリラックスできます。
関連記事:健康維持につながるはちみつの栄養成分や健康成分とその効果を紹介

花粉症でもビーポーレンを食べてもよい?

「ビーポーレンの正体は花粉」と聞いて、ご不安に感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
しかしビーポーレンは、花粉症にお悩みの方でもお楽しみいただけます。
なぜなら、花粉症の原因は風が運ぶ“風媒(ふうばい)花粉”とよばれるものであるのに対し、ビーポーレンの花粉はミツバチが運ぶ“虫媒(ちゅうばい)花粉”であるためです。
同じ花粉でも、性質が異なるので、ビーポーレンを食べて花粉症が悪化することは基本的にありません。
ただし、ビーポーレンを食べてアナフィラキシーショック(アレルギー反応の中でも最も重篤な状態で、命に関わる可能性のある緊急事態)を起こしたという例も報告されているようです。
基本的には問題ないものの、このような例もあるため、初めて食べる方は少量からお試しください。
ビーポーレンの食べ方
ビーポーレンは、1日あたり1~2gを目安に摂取するとよいでしょう。
また、熱によって酵素やビタミンの一部が壊れてしまう可能性があるため、加熱調理をせずに食べることをおすすめします。
そのうえで、ビーポーレンはいろいろな食べ方でお楽しみいただけます。
おすすめするビーポーレンの食べ方をご紹介しますので、ぜひご参考ください。
スプーンですくってそのまま食べる
ビーポーレンは、そのままでも食べることができます。
スプーンですくって食べるだけなので、とてもお手軽です。 ぜひ直接、舌の上でビーポーレンを味わってみてください。
飲み物に混ぜる
ビーポーレンの独特な風味が気になる方には、飲み物などに混ぜる方法がおすすめです。
ジュースやスムージー、牛乳に混ぜておいしく取り入れることができます。
また、はちみつやヨーグルトに混ぜれば、いつもの味わいにプラスしてビーポーレンの味を楽しむことができるでしょう。
料理に加える
パンやグラノーラ、サラダにビーポーレンをトッピングとして振りかけても、おいしく食べられます。
サラダに振りかける際は、野菜やドレッシングの味を引き立たせる程度にとどめるとよいでしょう。
また、お汁粉や抹茶アイスといった和スイーツとも意外と相性が良いので、ぜひお試しください。
ビーポーレンを摂取する際の注意点
最後に、ビーポーレンを食べる際の注意点をご紹介します。
楽しく食べて、効果をしっかりと実感するためにも、あらかじめご確認ください。
▼ビーポーレンを食べる際の注意点
- ・食物アレルギーがある場合は医師に相談する
- ・妊娠中・授乳中の方は摂取を控える
- ・1歳未満のお子さまには与えない
食物アレルギーのある方は、ビーポーレンを食べる前に念のためかかりつけ医に相談しましょう。
また、妊娠中・授乳中の方はビーポーレンがアレルギーの原因となる可能性もあるため、摂取をお控えください。
1歳未満のお子さまに関しては、まだ免疫力が低く消化器官が未発達のため、ビーポーレンを食べると身体に負担がかかってしまう可能性があります。離乳食に慣れてきてから少しずつ与えて、親子でビーポーレンを楽しみましょう。
関連記事:はちみつが危険な場合がある?安全なはちみつの選び方
ビーポーレンは花粉でできたスーパーフード

以上、ビーポーレンを食べることで得られる効果を中心に、ビーポーレンの概要をお伝えしました。
ミツバチが作る“花粉団子”であるビーポーレンは、本来は幼虫に食べさせるものなので栄養が詰まっています。
美しく健康でありたい気持ちを応援してくれるので、若々しい毎日を送りたい方はぜひはちみつと一緒にビーポーレンをお楽しみください。
コラム監修者

平柳 要先生
肩書:医学博士(東京大学)/保健学修士(東京大学)
所属:株式会社 食品医学研究所 代表兼所長
【略歴】
東京大学大学院医学系研究科(生理学)修了後、イタリア・パルマ大学、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学の客員研究員を経て、日本大学医学部(衛生学)准教授となる。
これまで日本体育大学(公衆衛生学/労働衛生学)、佐野日本大学短期大学(公衆衛生学)などの非常勤講師、日本人間工学会、日本宇宙航空環境医学会、日本臨床高気圧酸素・潜水医学会の理事や日本衛生学会、日本予防医学リスクマネージメント学会の評議員などを務めた。
現在は(株)食品医学研究所の代表兼所長。
【専門分野】
・特殊環境医学(宇宙環境生理学、海洋環境生理学、作業環境衛生学)
・科学的根拠(エビデンス)に基づく食材の健康効果研究
【メディア出演歴】
・NHK「ためしてガッテン」
・TBSテレビ「名医のTHE太鼓判!」
・テレビ朝日「林修の今でしょ!講座」
・CBCテレビ「健康カプセル!ゲンキの時間」
その他、MBS・テレ東・BSフジなど多数出演。
【監修・寄稿実績】
・蜂蜜力(主婦と生活社)
・魔法のハチミツ(マキノ出版)
・体が整う とっておきのしょうがレシピ(ナツメ社)
その他、食品の健康効果に関するムックや新聞・雑誌への
記事の投稿・監修は200冊以上。
【執筆著書】
・がん予防に実は「日光浴」が有効なわけ-ビタミンDの驚きの効力(講談社)
・病気にならない!しょうが緑茶健康法(サンマーク出版、中国語版あり)
・医学博士が考案した長生きふりかけ(サンマーク出版)
その他、専門書『現代生活と保健衛生』(篠原出版新社)・『新編衛生学実習』(南山堂)など、
健康・保健に関する書籍を多数執筆。
【外部リンク】
食品医学研究所ブログ:http://h-and-w.jp/column/
マイベストプロ群馬ブログ:https://mbp-japan.com/gunma/food-medicine/column/