2025.08.15 コラム
はちみつと睡眠の関係は?はちみつを食べる際の注意点も解説

「なかなか眠れない」「夜中に目が覚めてしまう」といったお悩みの解消には、はちみつが効果的だといわれています。しかし、はちみつの具体的な効果や正しい食べ方を把握していない方も多いことでしょう。
そこで本記事では、はちみつが睡眠とどのように関係しているのかを、食べる際に押さえておきたい注意点とともに解説します。
「睡眠の質を改善して、毎日を元気に過ごしたい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
はちみつが「睡眠の質の向上」に役立つといわれる理由
はちみつが睡眠の質を上げるのに効果的だといわれている理由は、主に2つあります。
以下でそれぞれご説明しますので、購入を検討する際にお役立てください。
血糖値が安定するから
はちみつは血糖値を緩やかに上昇させることから、翌朝の目覚めをすっきりさせる効果が期待できます。
夜間の低血糖は、睡眠を妨げる要素の一つです。
睡眠中に血糖値が下がると、正常値に戻すために副腎皮質から“コルチゾール”というホルモンが分泌されますが、これは交感神経を刺激するため、目を覚ます原因となります。
その点、はちみつは血糖値を急激に変動させない食品だといわれています。
寝る前にはちみつを食べればコルチゾールの過剰な分泌が抑えられるので、副交感神経が優位になり、睡眠の質の向上につながるのです。
やさしい甘みで心が落ち着くから
甘みにはリラックス効果があります。
はちみつのやさしい甘みが心を落ち着かせ、深く安定した睡眠をサポートします。
はちみつを食べるベストタイミングは?
翌日の目覚めをすっきりさせる目的ではちみつを食べるなら、就寝の1~2時間ほど前に摂取するのが望ましいです。このタイミングではちみつを食べれば、睡眠中も血糖値が緩やかに上昇します。
なお、寝る直前にはちみつを食べるのは控えましょう。
糖類がエネルギーに変わる前に眠りにつくと、消化が優先され、上記の効果が薄れる可能性があるためです。
1日の終わりにはちみつを食べる場合は、遅くとも睡眠の1時間前までに摂取することをお勧めします。
睡眠以外にもある?寝る前にはちみつを食べるメリット

睡眠に関する作用のほかにも、はちみつには多くのうれしい効果があります。
メリット①健康的な身体づくりをサポートする
健康的な身体を目指すうえで、はちみつを食べることは大きなメリットがあります。
「甘いものを食べたいけど、健康面が気になる……」という方は、砂糖に代わる甘味料として、毎日の食事にはちみつを取り入れてみてはいかがでしょうか。
メリット② 内側からきれいを目指せる
はちみつにはさまざまな栄養素が含まれており、毎日の食生活に取り入れることで、健康的な生活をサポートします。
朝の目覚めを気持ちよく迎えたい方や、内側からの美しさを意識したい方に、食習慣のひとつとしておすすめです。
メリット③口内環境の改善に役立つ
はちみつを食べるメリットとして、口内環境が整うことも挙げられます。
睡眠中は唾液の分泌量が減るため、口内が乾燥しがちです。口内が乾燥した状態だと雑菌が繁殖しやすくなるので、虫歯や歯周病などのリスクが高まります。
その点、はちみつには口内の健康を維持する効果があります。
寝る前に食べることで、口内の乾燥によるリスクを減らせる可能性があるわけです。
寝る前にはちみつを食べる際の注意点
ここでは、就寝前にはちみつを食べるにあたって、注意したいポイントをお伝えします。
はちみつの効果を最大限に得るためにも、ご確認ください。
注意点:摂取量を守る
夜は、はちみつを過剰に摂取しないことを心がけてください。
はちみつには、果糖やぶどう糖などの糖類が多く含まれています。
そのため、過剰に摂取すると体重の増加や血糖値の急上昇などを引き起こしかねません。
就寝前にはちみつを食べるなら、ティースプーン1杯程度、約5gが適量です。
寝る前にはちみつを食べる際のおすすめレシピ

最後に、就寝前の安らかなひとときにぴったりな、“純粋はちみつのホットミルク割り”のレシピをご紹介します。

▼純粋はちみつのホットミルク割りの作り方
- 1.牛乳を温める
- 2.純粋はちみつを入れ、だまにならないようよく混ぜる
- 3.お好みでシナモンやナツメグを加える
牛乳に含まれるカルシウムには、気持ちを落ち着かせる作用があります。
また、温かいものを飲むことで体温が適度に上昇し、リラックス効果を得られるため、心地よく眠りにつけるでしょう。
牛乳が苦手な方は、ホットミルクをノンカフェインのコーヒーやハーブティーに置き換えるのもおすすめです。
純粋蜂蜜の代わりに、杉養蜂園のメープルハニーもお試しいただくのもおすすめです。
寝る前にはちみつを食べて、睡眠の質を向上させよう!

今回は、はちみつと睡眠がどのように関係しているのかを解説しました。
はちみつには、果糖やぶどう糖などの糖類が多く含まれています。
これらを寝る前に適量摂取すれば、睡眠中も血糖値が緩やかに上昇するため、副交感神経が優位になり、快適な睡眠につながります。
また、はちみつ特有の甘み自体にもリラックス効果があるので、お好みのレシピで楽しんでみてはいかがでしょうか。
コラム監修者

平柳 要先生
肩書:医学博士(東京大学)/保健学修士(東京大学)
所属:株式会社 食品医学研究所 代表兼所長
【略歴】
東京大学大学院医学系研究科(生理学)修了後、イタリア・パルマ大学、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学の客員研究員を経て、日本大学医学部(衛生学)准教授となる。
これまで日本体育大学(公衆衛生学/労働衛生学)、佐野日本大学短期大学(公衆衛生学)などの非常勤講師、日本人間工学会、日本宇宙航空環境医学会、日本臨床高気圧酸素・潜水医学会の理事や日本衛生学会、日本予防医学リスクマネージメント学会の評議員などを務めた。
現在は(株)食品医学研究所の代表兼所長。
【専門分野】
・特殊環境医学(宇宙環境生理学、海洋環境生理学、作業環境衛生学)
・科学的根拠(エビデンス)に基づく食材の健康効果研究
【メディア出演歴】
・NHK「ためしてガッテン」
・TBSテレビ「名医のTHE太鼓判!」
・テレビ朝日「林修の今でしょ!講座」
・CBCテレビ「健康カプセル!ゲンキの時間」
その他、MBS・テレ東・BSフジなど多数出演。
【監修・寄稿実績】
・蜂蜜力(主婦と生活社)
・魔法のハチミツ(マキノ出版)
・体が整う とっておきのしょうがレシピ(ナツメ社)
その他、食品の健康効果に関するムックや新聞・雑誌への
記事の投稿・監修は200冊以上。
【執筆著書】
・がん予防に実は「日光浴」が有効なわけ-ビタミンDの驚きの効力(講談社)
・病気にならない!しょうが緑茶健康法(サンマーク出版、中国語版あり)
・医学博士が考案した長生きふりかけ(サンマーク出版)
その他、専門書『現代生活と保健衛生』(篠原出版新社)・『新編衛生学実習』(南山堂)など、
健康・保健に関する書籍を多数執筆。
【外部リンク】
食品医学研究所ブログ:http://h-and-w.jp/column/
マイベストプロ群馬ブログ:https://mbp-japan.com/gunma/food-medicine/column/
