2024.12.18 コラム
健康維持につながるはちみつの栄養成分や健康成分とその効果を紹介

「はちみつは身体に優しい食品」といったイメージを持たれている方は、多いのではないでしょうか。
 実際のところ、はちみつには約180種類の栄養成分や健康成分が含まれており、健康的な毎日を送る一助となりえます。 
そこで本記事では、健康維持につながるはちみつの栄養成分や健康成分を紹介します。 
おすすめの食べ方もあわせてお伝えしますので、はちみつを食べて健康的な毎日を送りたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。 

健康維持につながるはちみつの栄養成分や健康成分

はちみつには、身体の健康を保つために役立つ栄養成分や健康成分がバランスよく含まれています。
ここでは、具体的にどのような栄養成分や健康成分が含まれているのか、また、それを摂取することでどういった効果が期待できるのかを解説します。 
ぶどう糖・果糖
はちみつの栄養成分のうち、約60%を占めるのが“ぶどう糖”と“果糖”です。
ぶどう糖と果糖はどちらも糖類の一種で、人間のエネルギー源となる栄養成分です。 
糖類のなかでも、一つの分子だけで構成されている“単糖類”に該当し、摂取した際に体内で分解する必要がなく、いち早くエネルギーに変換されるという特徴があります。 
また、脳をはたらかせるためのエネルギーになりえるのは、ぶどう糖です。 
フェノール化合物
スーパーフードの一つであるはちみつにはフェノール化合物である"フラボノイド"と“フェノール酸”の種類や含有量が多く含まれ、最近、これらによる健康効果や美容効果が注目を浴びています。
フェノール化合物には、身体を内側からきれいにしたうえで、摂取した栄養成分や酸素の循環を良くする効果があるとされています。 
日頃から定期的にフェノール化合物を摂取していれば、元気で若々しく、健康的な肌を保つことができるわけです。
グルコン酸
グルコン酸は、はちみつに含まれる有機酸のおよそ70%を占める成分です。 
善玉菌のエサとなり、そのはたらきを後押しすることで、身体の内側からきれいになるのをサポートする効果があります。 
つまり、グルコン酸を日頃からきちんと摂取していれば、身体がスッキリとして、晴れ晴れとした毎日を過ごすことができるわけです。 
大豆や味噌にも含まれていますが、はちみつにはそれらの約30倍もの量が含まれているといわれています。 
まずは、大さじ1杯のはちみつを毎日の朝食に取り入れてみてはいかがでしょうか? 
はちみつの健康的な食べ方

身体の健康を保つのに必要な栄養成分や健康成分が含まれているはちみつですが、その健康効果を余すところなく得るためにはちょっとした食べ方のコツがあります。 
「毎日を元気に過ごしたい! 」とお考えの方は、本項で紹介する食べ方を実践してみてください。 
ヨーグルトにかける
はちみつと相性の良い食品といえば、“ヨーグルト”が挙げられます。 
はちみつの濃厚な甘みと、ヨーグルトの酸味のマッチングが好きな方は、少なくないはずです。 
この2つの食品は、ただ味の相性が良いだけ、というわけではありません。 
実は、どちらにも身体をスッキリさせる効果があり、相乗効果が期待できるのです。 
はちみつの糖分は、ヨーグルトに含まれるビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌のエサとなって、そのはたらきをサポートしてくれます。 
甘みのないプレーンヨーグルトに、大さじ1杯程度のはちみつをかけてお召し上がりください。 
砂糖の代わりに使う
料理には欠かせない砂糖ですが、摂りすぎには気をつけたいですよね。 
もし、砂糖の摂取量を控えたいとお考えなら、代わりにはちみつを使ってみてください。 
はちみつは、同じ容量で砂糖の約3倍分の甘さを感じられます。 
また、100gあたりのカロリーを比べてみると、砂糖(上白糖)391kcalに対して、はちみつ329kcalと、わずかながらに低いことがわかります。
つまり、砂糖の代わりにはちみつを甘味料として使用すれば、使用量と摂取カロリーを自然と抑えることができるわけです。 
はちみつを料理に使えば、砂糖にはない独特の風味やコクも加わります。 
たとえば、卵焼きを作る際にはちみつを入れれば、まるで料亭で提供される一品のような上品な味わいを再現できます。 
料理の味わいに深みを出したいときは、はちみつを隠し味に入れてみてはいかがでしょうか。 
参照元:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」 
野菜や果物をはちみつ漬けにする
はちみつは栄養価が高い食品とされていますが、すべての栄養成分が含まれているわけではありません。 
そこで、おすすめしたいのが野菜や果物のはちみつ漬けです。 
野菜や果物のはちみつ漬けなら、おいしく食べられるうえに、はちみつだけでは摂取できない栄養成分を補うことができます。 
はちみつとの相性が良い食材として、以下のものが挙げられます。 
▼はちみつ漬けに適している野菜・果物の一例
・生姜
・きゅうり
・大根
・レモン
・オレンジ
・ゆず
・キウイ
・イチゴ
作り方は、野菜や果物をそのまま、または皮を剥いて適当な厚さにスライスしたら、はちみつを上からかけるだけと、とても簡単です。
その後2~3日冷蔵庫に入れておけば、いつでもおいしく食べられます。
はちみつだけでは得るのが難しいビタミンや食物繊維を一緒に摂取できるので、よりおいしく、効果的にはちみつを取り入れていきたい方におすすめです。
関連ページ:はちみつ専門店|杉養蜂園のはちみつレシピ
はちみつを食べる際の注意点

一歳未満のお子さまがはちみつを食べると、“乳児ボツリヌス症”にかかるおそれがあるため、取り扱いには注意が必要です。 
ボツリヌス菌は、海や川、土壌に広く存在している細菌ですが、はちみつのなかに混在しているケースもあります。 
そのため、はちみつの摂取によって体内に入ってくる場合もありますが、基本的には人間の腸内細菌によって死滅させられるため、さほど心配する必要はないでしょう。 
しかし乳児の場合は、腸内環境が整っておらず、免疫力も不十分なため、体内に侵入したボツリヌス菌を死滅させられず、食中毒を引き起こしてしまいます。 
便秘やほ乳力の低下、元気の消失といった症状が表れ、最悪の場合は死に至るケースもあります。 
ボツリヌス菌は熱に強いため、加熱調理したからといって死滅するものでもありません。 
そのため、はちみつ入りの飲料やお菓子でも、乳児ボツリヌス症を引き起こす危険性があります。 
1歳未満のお子さまがいらっしゃるご家庭では、間違ってもはちみつを口にしてしまわないよう、管理を徹底しましょう。 
参照元:厚生労働省
関連記事:はちみつが危険な場合がある?安全なはちみつの選び方
食べるだけじゃない! はちみつの活用方法
健康を保つための栄養成分や健康成分が含まれているはちみつですが、実は、食べる以外にも用途があることをご存じでしょうか? 
以下では、日々の生活にハリをもたせる、はちみつの活用方法をご紹介します。 
お風呂に入れる
お肌の若々しさを保ちたいのであれば、ぜひ“はちみつ風呂”を試してみてください。 
はちみつ風呂とは、その名の通り、はちみつを溶かした湯船に浸かる入浴方法のことです。 
40℃程度のお湯を湯船に溜めて、大さじ2~3杯のはちみつを入浴剤のように溶かしたら、肩まで浸かり、バスタイムをゆったりと楽しみましょう。 
はちみつには美容面でも効果があるとされているので、湯上りにはしっとりとした質感を体感できるはずです。 
くわえて、身体を芯から温める効果も期待できます。 
なお、はちみつはたくさん入れればよい、というわけではありません。 
入れすぎると、べたつきが生じますし、肌に合わず荒れてしまう可能性もあるため、少量から試すのがおすすめです。 
はちみつを食べるおすすめのタイミング

はちみつの栄養成分や健康成分を効果的に摂取したいなら、以下のタイミングに食べることを意識してみてください。 
集中したいとき
「集中したいな……」というタイミングには、はちみつを積極的に摂取したいものです。 
勉強をしている途中で集中力が途切れ、ぼんやりしてしまった経験はありませんか? 
それは、脳がエネルギーを欲しているサインかも知れません。 
そんなときは、気分のリフレッシュもかねて、温かいお茶にはちみつを溶かして一息つきましょう。 
はちみつを摂取して少し休憩すれば、以前にも増して集中できるはずですよ。 
スポーツをしているとき
はちみつは、消化吸収しやすい食品であり、スポーツ時の栄養補給に適しています。 
単糖類であるはちみつはエネルギーに変換されるのが非常に早いため、食後20分程度で腸から吸収されます。 
そのため、運動前や休憩中にはちみつを食べておけば、ここぞというタイミングでパフォーマンスを発揮することが可能なわけです。 
栄養補給としてはちみつを摂取する際は、そのまま食べるのではなく、レモンのはちみつ漬けとして食べるのがおすすめです。 
レモンのクエン酸には、はちみつの糖分の代謝を助けつつ、より元気よく活動できる効果があります。 
スポーツに打ち込むためのエネルギーを補給するなら、ぜひはちみつをお召し上がりください。 
就寝前
就寝前にはちみつを食べるとぐっすり眠れる、という話をご存じでしょうか? 
人は眠っているあいだにも、たくさんのエネルギーを消耗しており、成人が一晩ぐっすり眠るには、およそ300~350kcalが必要だといわれています。 
そこで、寝る前にはちみつを小さじ1杯(大さじ1/3)食べておけば、睡眠中に必要なエネルギーをほどよく補えるというわけです。 
また、はちみつに含まれるぶどう糖や果糖は消化吸収しやすいため、胃に負担をかけません。 
スムーズにエネルギー補給ができるうえに、身体に優しいはちみつは、寝る前の栄養補給にうってつけの食品といえます。 
「寝る前に甘いはちみつを食べたら太りそう」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。 
確かに食べ過ぎれば太る原因にもなりえますが、大さじ1杯なら20kcal程度ですので、過剰に心配する必要はないでしょう。 
はちみつには身体の健康を保つ栄養成分や健康成分が含まれている

今回は、はちみつに含まれる健康維持に役立つ栄養成分や健康成分について解説しました。 
はちみつには、人間のエネルギー源となるぶどう糖や果糖をはじめ、さまざまな栄養成分や健康成分が含まれています。 
はちみつは栄養価の高い食品として知られており、健康的な毎日を送りたいとお考えの方には最適な食品です。 
はちみつ単体で食べてもよいですが、ヨーグルトや野菜、果物と一緒に食べることで、身体を内側からきれいにする効果も望めます。 
はちみつの専門店|杉養蜂園では、お客さまの美と健康を実現するために、手づくりにこだわったはちみつをご提供しております。 
お客さまのお悩みに合わせて商品を検索することもできますので、ぜひ当社の販売サイトをご利用ください。 
コラム監修者

平柳 要先生
肩書:医学博士(東京大学)/保健学修士(東京大学)
所属:株式会社 食品医学研究所 代表兼所長
【略歴】
東京大学大学院医学系研究科(生理学)修了後、イタリア・パルマ大学、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学の客員研究員を経て、日本大学医学部(衛生学)准教授となる。
これまで日本体育大学(公衆衛生学/労働衛生学)、佐野日本大学短期大学(公衆衛生学)などの非常勤講師、日本人間工学会、日本宇宙航空環境医学会、日本臨床高気圧酸素・潜水医学会の理事や日本衛生学会、日本予防医学リスクマネージメント学会の評議員などを務めた。
現在は(株)食品医学研究所の代表兼所長。
【専門分野】
・特殊環境医学(宇宙環境生理学、海洋環境生理学、作業環境衛生学)
・科学的根拠(エビデンス)に基づく食材の健康効果研究
【メディア出演歴】
・NHK「ためしてガッテン」
・TBSテレビ「名医のTHE太鼓判!」
・テレビ朝日「林修の今でしょ!講座」
・CBCテレビ「健康カプセル!ゲンキの時間」
 その他、MBS・テレ東・BSフジなど多数出演。
【監修・寄稿実績】
・蜂蜜力(主婦と生活社)
・魔法のハチミツ(マキノ出版)
・体が整う とっておきのしょうがレシピ(ナツメ社)
 その他、食品の健康効果に関するムックや新聞・雑誌への
 記事の投稿・監修は200冊以上。
【執筆著書】
・がん予防に実は「日光浴」が有効なわけ-ビタミンDの驚きの効力(講談社)
・病気にならない!しょうが緑茶健康法(サンマーク出版、中国語版あり)
・医学博士が考案した長生きふりかけ(サンマーク出版)
 その他、専門書『現代生活と保健衛生』(篠原出版新社)・『新編衛生学実習』(南山堂)など、
 健康・保健に関する書籍を多数執筆。
【外部リンク】
食品医学研究所ブログ:http://h-and-w.jp/column/
マイベストプロ群馬ブログ:https://mbp-japan.com/gunma/food-medicine/column/
 
    