2025.05.26 コラム
はちみつはどこ産がいい?国産と外国産の違いを解説

スーパーなどで買い物をしていると、国産だけではなく、外国産のはちみつを見かける機会があるでしょう。
試しに買ってみようかな、と思っても、どこ産のはちみつが良いのかわからないと迷ってしまいますよね。
そこで本記事では、国産・外国産のはちみつの違い、そしてより詳細な産地ごとのはちみつの特徴を解説します。 後半では外国産はちみつを選ぶ際のポイントもまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
国産はちみつの定義とは
“国産はちみつ”の定義については、『はちみつ類の表示に関する公正競争規約及び施行規則』にて、以下の通り定められています。
「国産」という文言を表示する場合には、原料原産地名として他の採蜜国と併せて表示する場合を除き、その原料蜜の全てが国内で採蜜されたものでなければならない。※一部抜粋してます。
この定義からもわかる通り、外国産のはちみつが少しでも混ざっている商品は、その大部分が国産はちみつであったとしても“国産”とは表示できないのです。
日本のはちみつだけを楽しみたい」とお考えであれば、国産の表記がある商品をお求めください。
引用元:一般社団法人全国公正取引協議会連合会「はちみつ類の表示に関する公正競争規約及び施行規則」
国産と外国産のはちみつは何が違う?
国産と外国産のはちみつは、具体的にどのような点が異なるのでしょうか? 以下の2つの観点から解説いたします。
水分量
国産はちみつと外国産はちみつのもっとも大きな違いが、“水分量”です。
『はちみつ類の表示に関する公正競争規約及び施行規則』では、国産はちみつの水分量が22%以下、外国産はちみつは20%以下と定められています。
花の種類と風味
日本と海外では、はちみつの風味を決定づける、蜜源となる花の種類も異なります。
国内外問わず蜜源の種類は多種多様であるため、国産だから・外国産だからという視点で風味を完全に分類することはできません。
しかし傾向としては、国産はちみつのほうが癖のない種類が多く、外国産はちみつは濃厚な味わいを感じられる種類が多いといえます。
この点もどちらを選ぶかは好みの問題となるので、いろいろなはちみつを試してみてはいかがでしょうか。
国産はちみつの産地による違い
国産のはちみつならどれでも味わいは同じ、というわけではありません。
日本では地域ごとにさまざまな種類の花が咲くので、その数だけ異なる風味のはちみつも存在します。
ここでは、北海道・東北・九州の3つの地域をピックアップして、代表的な種類のはちみつやその味わいなどを解説していきます。
北海道・東北地方
はちみつの生産量日本一(令和5年度)を誇る北海道では、主にアカシアや菩提樹、そばなどの花蜜からなるはちみつが採れます。
アカシアはちみつはさっぱりとした上品な味わいが特徴で、癖がなく多種多様な用途で使えます。 そのまま食べるのはもちろん、料理や飲み物に混ぜていただくのもおすすめです
一方で、菩提樹はちみつは非常に独特な風味を持っていることで知られています。
その香りはハーブを思わせるような印象深いもので、紅茶などに入れれば心ゆくまでハーバル感を楽しめます。 甘さは控えめなので、「甘すぎるはちみつはちょっと……」という方にもおすすめです。
より個性的なはちみつをお探しであれば、ぜひそば蜂蜜をお試しください。口に入れるとそばの花の特徴的な香りが広がり、それから黒糖のようなコクのある甘さと酸味を感じられます。
好き嫌いが分かれる種類ではありますが、スパイシーな料理などには相性抜群なので、一度試してみてはいかがでしょうか。
参照元:農林水産省畜産局「養蜂をめぐる情勢」
九州地方
九州地方も養蜂業が盛んで、なかでも熊本は北海道に次ぐはちみつ生産量を誇っています。
気候が温暖な九州では、北海道や東北とはまた違った種類のはちみつを採取できます。みかんはちみつなどは、その代表例といえるでしょう。
柑橘系の果物のような香りと酸味のあるさわやかな味わいが特徴なのですが、甘味もほどよくあります。
紅茶に混ぜて柑橘系のフレーバーを追加したり、シンプルにヨーグルトにかけて食べたりするのがおすすめです。
九州で採れるはちみつとしては、ほかにれんげはちみつも挙げられます。まろやかで癖のない甘味が楽しめるれんげはちみつは、はちみつを初めて試される方におすすめの種類です。
昔は冬場の水田などにれんげが植えられていた事から日本各地で採取されていましたが、最近は採取が難しくなっています。
味には上品なコクがあり、色も淡い黄金色をしていて、まさにあらゆる点でハチミツの王様と形容されています。 アカシアと同じようにさまざまな用途で使えるため、デザートとしてはもちろん、料理の隠し味としても活躍してくれます。
外国産はちみつの産地による違い

ひと口に“外国産はちみつ”といっても、産地が違えばその特徴はまったく異なります。
ここでは、4つの産地をピックアップして、そこで採れるはちみつの味わいや香りなどを紹介いたします。
ニュージーランド
はちみつの有名な産地としては、まずニュージーランドが挙げられます。
特に近年は、ニュージーランドを産地とするマヌカハニーが注目を集めており、デパートや通販サイトなどで見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。さまざまな栄養成分を含むマヌカハニーは、食べることで元気な毎日をサポートすることが可能です。
一方で、風味に関してはやや独特な部分があり、人によっては「ちょっと苦手かも」と感じてしまうこともあるでしょう。紅茶やコーヒー、ヨーグルトなどに混ぜればそうした風味も気にならなくなるので、マヌカハニーを摂取する際はぜひお試しください。
ニュージーランド産のはちみつとしては、“ラタ”という花を蜜源とするラタはちみつもあります。
口内にふわっと広がる甘い香りが特徴的で、クラッカーに塗ったり季節のフルーツにかけたりと、多種多様な食べ方を楽しめます。
ハンガリー
中央ヨーロッパに位置するハンガリーは、養蜂に適した気候・地理的条件が揃っており、世界でも指折りのはちみつ生産国として非常に有名です。
そんなハンガリーでは、主にアカシアはちみつが採蜜されています。
ほかの国のものよりも風味が濃厚で、甘味も強いのが特徴です。
アカシアはちみつ特有の上品さも備えているため、老若男女問わずお楽しみいただけます
焼いたパンやホットケーキ、ヨーグルトなどにかけていただくのがおすすめです。
そのほか、チーズにかければ、相乗効果でお互いの甘味と塩味を引き立てることもできます。
また、最近ではハンガリー産のはちみつだけではなく巣蜜も人気を集めています。
はちみつとはまた違った楽しみ方ができるので、ご興味があればぜひそちらもお試しください。
メキシコ
メキシコでは、オレンジはちみつの採蜜が盛んに行われています。
比較的温暖で適度な湿度もあるメキシコはオレンジの栽培に適しており、それゆえにミツバチもオレンジの花蜜を集めやすいのです。
オレンジはちみつの風味はフルーティーな甘さと少しの酸味、そして柑橘系を思わせるさわやかな香りを感じられます。その甘味・香りを楽しむためにも、まずはオレンジはちみつだけ食べて味わってみるのがおすすめです。
そこで本来の風味を堪能できたら、今度はヨーグルトやシリアルにかけたり、紅茶に混ぜたりしてお召し上がりください。
また、料理のコク出しとしても非常に有用で、特に肉料理との相性が抜群です。
ドレッシングの材料にも使えるので、お好みの方法で料理に取り入れてみてはいかがでしょうか。
台湾
日本に近い台湾では、トロピカルフルーツの代表格であるライチが栽培されており、その花を蜜源とするライチはちみつも採蜜されています。
ライチはちみつの特徴は、なんといってもその風味の豊かさです。
ひと口食べた瞬間に、トロピカルでフローラルな香りがいっぱいに広がります。
それでいて後味はすっきりさわやかなので、どのような用途で使っても楽しめるはちみつだといえます。
ハーブティーやレモネードに加えてさわやかな甘さを引き立たせる、またはアイスクリームにかけてトロピカルな風味をプラスするのもおすすめです。
信頼できる外国産はちみつを選ぶときのポイント

外国産はちみつにはさまざまな種類があるため、どれを選べばよいか迷うこともあるでしょう。
そんなときは、以下の2つのポイントを参考にして選んでみてください。
1,全国はちみつ公正取引協議会に加盟している企業かどうか
この協議会は、はちみつの表示や品質に関する基準を守ることを目的として設立された団体です。
加盟企業は、製品の内容や品質表示に関して一定のルールを遵守しているため、信頼性が高いといえます
購入前に、製品ラベルや公式サイトなどで加盟状況を確認しましょう。
2,製品を取り扱う企業の公式ホームページなどで、「FSSC22000」などの認証情報が確認できるかどうか
FSSC22000は、食品安全マネジメントの国際的な認証規格です。
この認証を取得している企業は、原材料の受け入れから製造・出荷まで一貫して衛生・安全管理が徹底されていることを意味します。
公式サイトや商品パッケージに記載された認証マークや取得情報をチェックすることで、安全性の高い製品を選ぶ目安になります。
なお杉養蜂園の工場は、国際的な食品安全マネジメントの規格『FSSC22000』の認証を取得しており、高い品質保証レベルではちみつのパック詰めなどを行っております。
信頼できるはちみつをお求めなら、ぜひはちみつの専門店|杉養蜂園のECサイトにてお買い求めください。
外国産のはちみつでおすすめのものは?
最後に、数ある外国産はちみつのなかでも、特におすすめの3種類をご紹介します。
マヌカハニー
通常のはちみつには含まれていない成分を含有するマヌカハニーは、健康的な生活を維持したい方にぜひ試していただきたいはちみつです。
外出が多い時期や季節の変わり目などには、マヌカハニーを食べて元気な毎日を送るためのパワーを得ましょう。
クローバーはちみつ
初めてはちみつを試すのであれば、癖がなくどなたでも食べやすいクローバーはちみつがおすすめです。
上品な花の香気と柔らかな甘さが合わさり、そのままでも十分おいしくいただけます。
もちろん、トーストやヨーグルトなどにかけて食べるのもおすすめです。
また、少量で十分な甘味を得られるため、料理の際に砂糖の代わりとして使うこともできます。
アカシアはちみつ
同じく、はちみつを初めて食べる方におすすめなのが、すでにご紹介したアカシアはちみつです。
数あるはちみつのなかでも特にさっぱりとしており、その食べやすさから多くの方に親しまれています。
用途を選ばずに使えるため、ご家庭に一つあればいろいろな場面で役立ってくれます。
おやつの時間に紅茶やコーヒーに混ぜていただくのも良いですが、ほかにも、肉料理などのコクを出すために使ってみるのも上手な活用方法です。
「日本か海外か」の違いだけではなく、産地ごとでもはちみつはまったく特徴が異なる

今回は、国産・外国産のはちみつの違いや産地ごとの特徴、そして外国産のはちみつを選ぶ際のポイントを解説しました。 国産と外国産のはちみつは、含まれる水分量や蜜源となる花の種類に関して違いがあります。
また、国産でも都道府県によって採取できるはちみつの種類に違いが出るほか、外国産も産地ごとにはちみつの特徴が大きく異なります。
いろいろな種類を一度試したうえで、ご自身の好みに合ったはちみつを選ぶのがベストです。
なお、最後にご紹介したマヌカハニー・クローバーはちみつ・アカシアはちみつは、いずれもはちみつ専門店の杉養蜂園にて取り扱いがあります。 そのほかにも多種多様な種類・産地のはちみつをご用意しておりますので、ご興味があればぜひECサイトのほうからお買い求めください。