2025.12.01 コラム
舌苔(ぜったい)の予防にはちみつは効果的?おすすめのはちみつも紹介

舌に白い汚れ(舌苔)が発生する原因は、口腔内の乾燥や体調不良などさまざまです。
こうした汚れを蓄積させず、健康な舌を保つために、はちみつが用いられることがあります。 本記事で、自然の甘みを味わいながら舌を健やかに保つ方法を確認していきましょう。
舌苔とは?
まずは“舌苔(ぜったい)”がどのようなものなのかを確認していきます。
舌苔とは、舌の表面に付着している白い苔のようなものを指し、食べ物の残留物や剥がれ落ちた粘膜、細菌などの影響を受けて発生します。
通常、舌苔は舌が健康な状態でも発生し、奥から手前にかけて表面にうっすらと広がっている程度であれば特に問題ありません。
しかし極端に量が多かったり、黄色や灰色のような色になっていたりと、舌苔に変化がみられるときは身体の不調を示している可能性があります。
舌苔を放置すると口臭の悪化や味覚の低下といったリスクを高めるため、食生活や日頃のケアを見直し、状況に応じて医師に相談することをおすすめします。
舌苔が発生する原因
舌苔は誰にでもみられる自然なものですが、なぜ発生するのでしょうか。
主な原因としては、以下の9つが挙げられます。 舌苔が発生する原因
- 原因①ケアが不十分で口腔内に汚れが溜まっている
- 原因②口呼吸をしている
- 原因③食事の際の咀嚼(そしゃく)が不十分である
- 原因④ストレスによる影響を受けている
- 原因⑤飲酒や喫煙の習慣がある
- 原因⑥薬の副作用の影響を受けている
- 原因⑦舌の位置が低くなっている
- 原因⑧体調不良による影響を受けている
- 原因⑨妊娠している
原因①ケアが不十分で口腔内に汚れが溜まっている
口腔内に汚れが残り、不衛生な状態になっていると舌苔が発生する可能性があります。
舌の表面には細かい凹凸があるため、汚れが定着しやすく、口をゆすぐだけではきれいに除去することが困難です。
そのため、ケアが不十分だと舌苔が発生してしまうのです。
蓄積した汚れを放置すると、口臭や虫歯が発生し、ひいては全身に影響を及ぼすおそれがあります。
こうしたトラブルを防ぐためにも、専用の舌ブラシを使用して1日1回を目安に舌を磨くとよいでしょう。
原因②口呼吸をしている
ケアが不十分であるほか、乾燥によっても口腔内が不衛生な状態となり、舌苔が発生しやすくなります。
口腔内の乾燥を引き起こす要因の一つには、口呼吸が挙げられます。
常に口が開いている状態では、唾液の分泌量が減ってしまうため、口腔内のうるおいを保てません。
その結果、唾液が持つ自浄作用、つまり食べ物の残留物や細菌を洗い流す力が低下し、舌に汚れが溜まります。
「朝起きたときに口が乾いている」「アレルギー体質で鼻がつまりやすい」といった方は、無意識のうちに口呼吸になっている可能性があります。
口腔内の乾燥による舌苔を防ぐためにも、意識的に鼻呼吸を行い、必要に応じて医療機関を受診することが大切です。
原因③食事の際の咀嚼(そしゃく)が不十分である
舌苔を発生させる原因の一つには、咀嚼の不足もあります。
咀嚼は唾液の分泌を促し、口腔内を清潔に保つうえで欠かせない行為です。
しかし食べるスピードが速い、あるいは柔らかいものばかりを食べる習慣があると、自然と咀嚼回数が減り、唾液の分泌量も少なくなってしまいます。
これにより口腔内を清潔に保つ力が低下して汚れが溜まりやすくなるため、唾液を十分に保てるようよく噛んで食べることが大切です。
それに加えて、食事の際には摂取する食べ物にも気を配るとよいでしょう。
なかでも、ごぼう、たけのこ、海藻などの食物繊維が豊富な食べ物は噛み応えがあるので、咀嚼回数が増えるのでおすすめです。
原因④ストレスによる影響を受けている
ストレスによって自律神経が乱れると唾液の分泌量が減少し、これが引き金となって口腔内の乾燥、さらには舌苔の発生につながるとも考えられています。
多くの場合、ストレスが軽減すれば、唾液の分泌量は自然と増加します。
ストレスを抱えている際は、心を安定させるためにも甘いものを食べたり、趣味を楽しんだりと、ひと息つく時間をつくりましょう。
原因⑤飲酒や喫煙の習慣がある
飲酒や喫煙も舌苔を発生させる原因となります。 お酒を摂取した際に、「なんだか喉が渇く」と感じたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アルコールの分解には体内の水分が使われており、その影響を受けて口腔内も乾燥してしまいます。
また、たばこに含まれるニコチンには唾液の分泌を抑制する作用があり、口腔内の乾燥や口臭の発生を招く可能性があります。 これにより、舌苔が発生するリスクが高まるのです。
健やかな口内環境を保つためにも、過度のアルコール摂取は避け、禁煙に取り組むのが賢明です。
原因⑥薬の副作用の影響を受けている
薬のなかには、副作用として「口腔内が乾燥する」「常在菌のバランスが崩れる」など、口内環境の乱れを引き起こすものがあります。
慢性的な病気や体調不良により、長期間薬を服用している場合は、舌苔の発生を招きかねません。
また舌苔とは少々異なりますが、長期にわたる抗生物質やステロイド剤の服用は“黒毛舌(こくもうぜつ)”の一因となります。
黒毛舌は、まるで毛が生えたように舌が黒色、もしくは褐色に変化する症状です。
決して深刻な病気ではありませんが、放置すると口臭の悪化や味覚の低下を引き起こすとされています。
薬を服用している際に舌に変化がみられたら、かかりつけ医に相談のうえ、ご自身でも口腔ケアに取り組むとよいでしょう。
原因⑦舌の位置が低くなっている
舌苔の発生には、舌の位置も関係しています。 舌は、口を閉じている際、上あご全体に軽く接触する位置にあるのが正常です。
この位置に舌がある場合は、唾液が十分に分泌されて常にうるおった状態となるうえ、上あごとの摩擦が発生し、汚れが自然と落ちやすくなるといわれています。
しかし、舌が上あごに触れていない位置にあると摩擦は発生しないため、汚れが落ちにくくなってしまいます。 くわえて舌の乾燥も引き起こし、汚れが付着しやすい状態となるのです。
こうした舌の位置が原因で舌苔が発生した場合は、口腔ケアや舌のトレーニングで改善を図るのが効果的です。
原因⑧体調不良による影響を受けている
忙しい毎日が続くと、疲れが溜まって風邪をひいたり胃腸が弱ったりと、体調を崩してしまうこともあるでしょう。
こうした体調不良によって免疫力が低下することも、舌苔が発生する原因の一つです。
体調を崩している際に発生する舌苔には、色や厚さに特徴がみられます。
たとえば、風邪をひいている場合は舌苔が黄色く見える、胃腸が弱っている場合は舌の表面が白く厚い汚れで覆われることがあります。
舌は自身の健康状態を映し出す鏡のようなものであるため、日々の体調管理の一環として色や汚れ具合の確認を習慣にしてみてください。
原因⑨妊娠している
妊娠中は女性ホルモンのバランスが大きく変化するため、心身ともに影響を受けることも珍しくありません。
口内環境の変化もその一つで、唾液の分泌量の減少や口腔内の乾燥などが起こり、舌苔が増えることがあります。
また、つわりをはじめ体調が優れない日が続くことも多く、口腔ケアが不十分になりがちです。
そうなると舌に汚れが溜まり、口臭や虫歯を引き起こすリスクも高まります。
妊娠中は思うように動けないこともありますが、口腔内をできる範囲で清潔に保ち、適度な水分補給を心がけましょう。
はちみつは舌苔を防ぎたい場合に役立つ?
ここまでの内容で、舌苔が発生する原因は、さまざまであることがおわかりいただけたと思います。
なかでも口腔内の乾燥は汚れの付着を助長する可能性があるため、日頃からうるおいケアに取り組むことが大切です。
そこで、健やかな日々を過ごすためのうるおいケアとして取り入れたいのが、“はちみつ”です。
はちみつには、うるおいを与えるはたらきがあるとされているため、「なんだか口の中が乾いている気がする……」という場合に役立ちます。
さらに、はちみつを口に入れることで唾液の分泌量を十分に保てるようになります。
「嗅覚や味覚による刺激、咀嚼をはじめとする物理的な刺激などが加わると唾液が分泌される」という人間の生理的なはたらきを、はちみつがサポートしてくれるためです。
このようなことから、口腔内が乾きやすい場合には、うるおいケアの一つとしてはちみつを取り入れることをおすすめします。
はちみつの自然な甘さによって心身が癒やされ、より健康的で充実した毎日を送れるようになるといえます。
はちみつを使ってうるおいを与える方法
口腔内のうるおいケアに役立つはちみつですが、具体的にはどのように取り入れればよいのでしょうか。
ここでは、はちみつを使用して口腔内にうるおいを与える方法を2つご紹介します。
口の中にはちみつを塗る
はちみつを口の中に塗り広げてうるおいを与えることで、舌苔の原因ともなる口腔内の乾燥を防げます。
ティースプーン1杯程度のはちみつを舌や上あご、内頬などに塗り、数秒間口の中に含んでから舐めるとよいでしょう。
塗り広げる際は、はちみつをすくったスプーンをそのまま口に入れてもよいですし、指で行っても問題ありません。
ただし指で塗り広げる場合は、必ず手を洗い、清潔な状態にしてから口の中に入れるのが大切です。
また、はちみつを舐めたあとは歯を磨き、口腔内を健やかに保っておくのも重要なポイントです。
はちみつのあめを舐める
「はちみつを直接塗るのは抵抗がある……」という場合は、はちみつのあめを舐めて口腔内をうるおす方法もあります。
あめであれば気軽に食べられますし、指で直接触れないため衛生面でも安心です。
舐める際には、噛まずに舌の表面で転がすことを意識するとよいでしょう。
うるおいケアに最適なはちみつの種類
はちみつにはさまざまな種類があるため、「口腔ケアとして取り入れたいけれど、どれがいいのかな?」と悩んでしまいますよね。
口腔内の乾燥が気になる際には、“純粋はちみつ”を選ぶのがおすすめです。
以下で、それぞれの特徴を見ていきます。
純粋はちみつ
純粋はちみつとは、砂糖や水あめなどの添加物を一切加えていないはちみつのことです。
ミツバチは飛び回って集めた花蜜を巣房に運び、その蜜に羽で風を送りながら水分を飛ばし、完熟度を高めます。
次第に糖度が高まり、私たちがよく目にするはちみつが出来上がります。
このように純粋はちみつは、ミツバチによってつくられた栄養そのままのはちみつなので、うるおいを保ちたいときにも最適です。
口腔内を健やかに保ち、そして自然の恵みを余すところなく堪能できる純粋はちみつであれば、甘みを堪能しながらうるおいケアに取り組めるでしょう。
食べ慣れていない方におすすめのはちみつはある?
ここまでご覧になり、「口腔内を健やかに保つためにも、はちみつを取り入れたい!」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
はちみつを食べ慣れていない方は、続けることが難しいこともあります。 そのような場合は、1つの花を蜜源とした“単花蜜”のうちクセの少ないものを選ぶのがおすすめです。 なかでも比較的クセが少ない種類には、以下が挙げられます。
はちみつに慣れていない方にもおすすめのはちみつ
- アカシアはちみつ
- クローバーはちみつ
- ひまわりはちみつ
アカシアはちみつ
アカシアはちみつは、アカシアの花を蜜源とするはちみつです。
クセのない上品な味わいなので、はちみつをあまり食べたことのない方でも楽しめます。
また、すっきりとした甘さゆえに、さまざまな食べ物とも相性が良いといえます。
砂糖の代わりとして、またお肉や魚の下ごしらえとしてなど汎用性が高いため、味に慣れるまでは、調理の一部に取り入れるのもよいでしょう。
クローバーはちみつ
まろやかで優しい甘みを堪能できるのが、クローバーはちみつです。
甘みはしっかりありながら、後味はさっぱりとしているため、濃厚な甘さが苦手な方でもおいしく食べられるでしょう。
アカシアはちみつと同様に、クローバーはちみつもさまざまな食べ方で楽しむことができます。
特にトーストやヨーグルトとの相性が良く、朝食や間食にはちみつを味わいたいときにも最適です。
もちろん、スプーンですくってそのまま食べるのもおすすめです。
ひまわりはちみつ
はちみつ初心者の方でも香りや味わいを楽しみたい場合は、ひまわりはちみつを選んでみてはいかがでしょうか。
ひまわりはちみつは、濃厚な花の香りと優しい甘みを堪能できるはちみつです。
芳醇な味わいですが、クセが少なく、後味はすっきりとしているため、はちみつに慣れていない方でも食べやすいでしょう。
そのまま食べるのはもちろん、カモミールティーやホットミルクに加えて、リラックス時間にぴったりな一杯を味わうのも、楽しみ方の一つです。
舌苔の原因ともなる口腔内の乾燥が気になるときは、はちみつでうるおいを与えよう
舌苔は、主に口腔内の乾燥によって汚れが溜まることで発生します。
汚れを溜めないためにも、日頃から口腔内にうるおいを与えるのが大切です。
口腔内にうるおいを与える方法はさまざまですが、おいしさを楽しみながら続けたいのであれば、はちみつを取り入れるのがおすすめです。
「口の中にはちみつを塗る」「はちみつのあめを舐める」など、手軽にうるおいケアに取り組めます。
はちみつをあまり食べたことのない方は、アカシアはちみつやクローバーはちみつ、ひまわりはちみつなどクセの少ない種類を選ぶとよいでしょう。
適切な口腔ケアとあわせて、はちみつで舌を健やかに維持したいときには、杉養蜂園の通販サイトでお気に入りのはちみつを見つけてみてください。
